甘がみの矯正法は飼い主が興奮しないことが大事
甘噛みがなかなか治らない、本気というほどではないけど甘噛みが痛い、甘噛みが本気噛みになりそうで怖い、といったような心配でいろいろ矯正方法を探していると思います。
子犬のうちは甘噛みをするのは当たり前のことで悪いことではないのですが、それを人間の手に対してやるのは決して良いものではありません。
だからこそ大きくなって力が強くなってしまうまえに、できるだけ早い段階でやめさせたいところですが、なかなかうまくいかないと悩む飼い主さんはとても多く、あなたもその一人ですよね。
そして、いろいろネットや本を見て甘噛みをやめさせる方法を模索しているものの、これといった効果が出ずさらに悩みどうしたらいいのかわからなくなっている…といったところだと思います。
確かに、いろいろな情報がありすぎて何を信じてどれを試したらいいかわからなくなっていると思いますが、ひとつ知っていてほしいのは『どんな方法でも教えている目的は同じ』ということです。
そのことを踏まえたうえで、今回は犬のマズルを強く握ったり叩いたりというようなことをせず、手に甘噛みをしてはいけないを理解させる方法をお教えします。
難しい方法ではなく手さえあればできるのでぜひ試してみてください。
Contents
犬の甘噛みに興奮した態度はNG!冷静に厳格にNOを伝える
犬の甘噛みは甘噛みといえども痛いですよね。しかも、それが小型犬になるとその可愛らしさからつい許してしまい、本気で噛まれたり我慢できないくらい痛い!と感じてから初めて「どうにかしなきゃいけない…」と思うケースが多いです。
実はこれがやってはいけないNG行動で、甘噛みをやめさせたいのであれば「可愛いしまだ痛くないから許しちゃおう」ではなく、絶対に甘噛みはさせないを徹底しないといけません。
これは甘噛みに限ったことではないのですが、されたら困ることは本当に困りだしてから「やめて!」と訴えるのではなく困る前にやめさせる、やられる前にやらせない、が基本です。
そのことを踏まえたうえで甘噛みの矯正法についてお教えしますが、まず陥りがちなパターンが甘噛みをされたからと「痛い!痛い!ダメでしょ!」と叱っているつもりで、実はそれが犬にとって興奮として伝わり楽しくなっちゃっているというものです。
飼い主としてはどうにかやめさせようと「だめ!」を伝えているつもりですが、その伝え方が興奮を誘ってしまっていることが多いので注意が必要です。
では、どのようにしたら「ダメ」を興奮として捉えられることなく「やってはいけないこと」と伝えることができるのかというと、まずは何より冷静で厳格な態度であり続けるというところにあります。
興奮で伝わってしまうのはあまりにも痛くてどうにかしなきゃ!という思いが先行してしまい、つい感情でダメを伝えてしまうせいです。
たいてい甘噛みをされてしまう時というのは触っていたり遊んでいるときなので、声のトーンも高く楽しそうにしていますよね。
だからこそ「ダメ」を伝えるときはトーンを低くして冷静にすることで、確実にやってはいけないということが伝わりやすくなります。
甘噛みをしてから叱るのではくやられる前に意思表示をする
実際に甘噛みを矯正するには声のトーンで伝えるだけでは不十分なことが多いです。なかにはトーンを変えただけで悟る子もいますが、そうでなければプラスアルファの意思表示をする必要があります。
その意思表示の方法が甘噛みをされそうになっている手と甘噛みをしようとしている口の間にもう片方の手を割り込ませて、自分の手を叩いて音を出しながら「ダメ」を伝えることです。
そして、このとき重要なポイントは甘噛みをされた瞬間つまり甘噛みをされてから叱るのではなく、甘噛みをしてこようとした瞬間にダメを伝えるということ。
甘噛みをしてこようとしてきたときに手と手で音を出して「ダメ」を伝えるので、まず噛まれてしまうということがありません。
犬も甘噛みをしようとしたらそのような反応をされたので「え?」といった様子で見てくると思います。その様子が見られたら「おいで」と優しく言って、落ち着いた様子でやってきたら優しくほめてあげましょう。
逆にまた甘噛みをしてこようとしたら同じように手と手で音を出して、やられる前にダメを伝えるようにしてください。
これを数回繰り返すだけでたいていは上手な甘え方ができるようになり、甘噛みをやらなくなってきます。
抱っこをしているときの甘噛みは甘噛みされない位置がポイント
先にお教えした方法は遊んでいるときなど抱っこをしていない状況での矯正方法です。しかし、甘噛みをしてくるシーンとしてもうひとつよくあるのが抱っこをしているときですよね。
そんなときに手の間に手を割り込ませて音を出すということはなかなか至難の業だったりするので、こんなときはそもそも甘噛みをされるような位置には手を置かないという方法で対策を取ります。
それだけでいいの?と思うかもしれませんが、これを実行するには大切なポイントがあるんです。それは、何があっても犬に抵抗を許して自由にさせないようにホールドするということです。
これはホールドスチルとも言われる方法なのですが、犬を仰向けに抱っこした形で自由に動けないようにします。
自由に動けないようにとはいってもがんじがらめにするという意味ではなく、飼い主に仰向け抱っこされたときは「暴れたり逃げ出したりはできない」ということを認識させるだけなので、もしそうした様子が見られたら逃がさなければいいだけです。
そのためにも普通の抱き合わせの形の抱っこではなく、仰向けで抱っこして自由な抵抗ができないようなスタイルに持っていきます。
そうすると、最初はおとなしく抱っこされていた犬もだんだんつまらなくなったり、抵抗を示そうとする過程で甘噛みをしてきますが、ここでマズルを強く握ったり声をかける必要はありません。
やることはただ黙って余計な動きはさせず、先述したように噛まれない位置に手を置くだけで大丈夫です。
確かに甘噛み自体はいろんな理由でやってしまうものではありますが、そもそも口が届かないものを頑張って噛みに行こうとまではしません。
そのため、仰向けにされて抵抗もできず暇だからと噛むこともできないということを理解すれば、あえて「ダメ」を言葉や態度で伝えなくても自然に甘噛みはしなくなっていきます。
また、ホールドスチルはこうした甘噛みに対する効果だけではなく犬との主従関係を築く上でも非常に有効な手段で、子犬はもちろん成犬になってからでも役に立つのでおすすめです。
余談ですが、ホールドスチルができるようになると抵抗することは無意味だということを認識するため、そのままの体制で爪切りや足裏のカットといったちょっとしたお手入れもできるようになりますよ。
甘がみの矯正法は飼い主が興奮しないことが大事まとめ
今回は甘噛みの矯正法についてご紹介しましたが、今までのやり方は恐らくやられてから叱るという方法だったのではないかと思います。
しかし、本当にやってほしくないことを伝えるには「やられるまえに伝える」ということが重要になるため、甘噛みをされてから対応するのではなく甘噛みをされる前にダメを伝えるようにしましょう。
また、ホールドスチルをすることで抱っこをしていても甘噛みをしなくなりますし、なにより関係性において重要な主従関係の構築にも繋がるがめ、ぜひ並行してやってみてくださいね。