犬の口臭の原因と対策。サプリも紹介

サプリ

人も犬もお口のにおいがくさいのはだめでしょ。

うむ。歯医者で犬の歯石もとってくれたらいいのになと思うんじゃ。

それは無理。愛犬の口臭が気になる飼い主さんはしっかりと対策をしてみてください。

愛犬が近くに来たときに口臭が気になることはありませんか?

犬の口臭は、原因によって対策が異なります。水分補給や口腔内ケア、食事の見直しで改善することもあれば病気が原因で動物病院での根本治療が必要となることもあります。

いずれにしても、犬は自ら歯磨きなどの口腔内の健康維持をすることができないため、しっかりと日々のケアで予防や対策を行ってあげましょう。

口臭の予防方法は?

毎日の歯磨き

犬の口臭原因の多くが歯石によるものであるため、歯石がつきにくい口腔内環境を維持することが大切です。

犬は人間と比較して歯垢が歯石化するスピードが非常に速いといわれているため、毎日の歯磨きを怠らないようにしましょう。

歯磨きについては習慣化していない犬は大抵の場合は拒みますが、褒めながら歯磨きのトレーニングを行いゆっくりと慣らしていくことが大切です。

歯ブラシを怖がる犬の場合は、ガーゼのような素材の歯磨き用シートが販売されているので、指に巻いて犬の歯を磨くと良いでしょう。

サプリメントを活用

歯磨きがどうしても出来ない犬の場合は、サプリメントを活用するのも良いでしょう。

サプリメントを選ぶ際は、口腔内の抗菌・殺菌効果が期待できる「プロポリス」唾液の分泌を促進するために有効な「ポリグルタミン酸Na」などの成分が含まれているものがおすすめです。

下痢や便秘、嘔吐などの消化器系症状を伴っている場合は、腸内環境を整える「プロバイオティクス」悪玉菌制御に役立つ「ビフィズス菌」ビフィズス菌を増やすための「フェカリス菌」善玉菌増殖に役立つ「有胞子性乳酸菌」などが配合されているサプリメントがおすすめです。

オヤツやおもちゃを活用

犬の歯磨き用オヤツやおもちゃが数多く販売されていますので、歯磨きができない場合はこれらを活用するのも良いでしょう。

オヤツの場合は噛むことによって歯垢を除去するものや、口臭の消臭を目的としたペパーミントやアルファルファ、パセリなどの成分が配合されたものなど様々な種類があります。

口腔内ケアおもちゃの場合はロープ状のおもちゃがメジャーで、遊びながらロープを噛むことによって歯垢を落としたり歯茎を強化したりするために役立ちます。

胃腸ケアのできる食事

胃腸の乱れは口臭の原因になりやすく、同時に免疫細胞の多くが集中している腸が不健康だと犬の健康全般に被害を及ぼしやすいと考えられます。

胃腸の健康維持に役立つ成分が配合されている食事や、胃腸ケア用サプリメントの追加摂取、消化しやすい良質な動物性たんぱく質が主成分のドッグフードなどを活用して胃腸ケアを行うと口臭予防に役立ちます。




口臭の原因とそれぞれの対策

歯をさわる

「口腔内の病気」が原因の場合

犬の口臭の原因として一番多いのが歯周病で、現在なんと3才以上の犬の8割前後が歯周病であるともいわれています。

歯周病の場合は口臭の中でも腐敗臭が目立ち、歯石や歯垢によって炎症が生じることによって膿などの匂いが発生します。

歯周病の場合、まずは歯周病自体の根本的治療を行うことによって口臭を改善する必要がありますので、獣医師に相談の上適切な治療を受けましょう。

動物病院での治療に関しては、歯周病の状況によって歯石を中心とした口腔内の汚れ除去、歯周ポケット内部の掃除、抜けそうな歯の抜歯、歯根部分の切除などの処置が行われます。

最近では無麻酔歯石除去が流行っていますが、無麻酔の場合は歯周ポケットの掃除までできず歯の表面の歯石を削るだけなので根本的な治療方法としてはおすすめできません。

「口腔内乾燥」が原因の場合

体内の水分が不足することによって口腔内が乾燥して、生臭いような口臭がすることがあります。

通常犬の場合、口腔内は唾液によって潤いが保たれていますが、水分が不足してしまうと唾液自体の濃度が高まり口臭の原因になります。

このように一時的に口臭がする場合は、適切な量の水分を与えることによって口臭が改善することがあるので、犬の水分摂取量が足りているか確認して必要に応じて水を飲ませましょう。

自ら積極的に水を飲まない犬の場合は、山羊ミルクや無調整豆乳などで少し香りづけをしてあげると嗜好性が高まります。

また鼻炎をはじめとし鼻に何かしらの疾患がある場合、または夏場など暑い時期に関しては開口呼吸が多くなることから、口腔内が乾燥して口臭を引き起こすことがあります。

病気が原因で開口呼吸が多くなっている場合は、獣医師に相談の上適切な治療を受けましょう。脱水症状が重度の場合は、急性胃炎や急性腎不全、熱中症や重度の感染症などの可能性があります。

「消化器官系の病気」が原因の場合

胃や腸をはじめとした消化器官に何かしらの疾患がある場合、口臭が引き起こされることがあります。

中でも胃腸炎は口臭の原因になりやすく、胃酸が過剰分泌されていると独特な胃酸の酸っぱい匂いが発生します。

また消化器官に異常が生じている場合、下痢や嘔吐を伴うことがあるので愛犬の様子や便の状態などしっかりと確認しましょう。

病気でなく胃腸の乱れによる口臭の場合は、ビフィズス菌フェカリス菌、フラクトオリゴ糖、不溶性繊維、有胞子性乳酸菌、酵素などの成分が含まれている犬用サプリメントや少量の無糖ヨーグルトを与えるのも効果的ですが、元気喪失をはじめとしたその他の症状が出ている場合は獣医師に相談しましょう。

「腎臓や肝臓の病気」が原因の場合

腎臓や肝臓に何かしらの異常がある場合は、これらの臓器が正常に機能せずに通常体外に排出される物質が溜まってしまうことによって口臭が引き起こされることがあります。

大抵の場合はアンモニア臭のような独特の臭いが発生しますが、口臭以外に運動量低下や食欲低下、元気喪失などの何かしらの症状が併発している場合は早めに動物病院で検査を行いましょう。

腎臓の病気の場合、腎不全、腎炎、腎結石、ネフローゼなどが考えられ、肝臓の病気の場合は肝炎や肝リピドーシスなどの病気が考えられます。

「悪性腫瘍」が原因の場合

口腔内に悪性腫瘍ができている場合、歯肉や口内部の粘膜、骨の組織に影響を及ぼして口臭を引き起こすことがあります。

悪性腫瘍の場合は、食欲低下や元気喪失などをはじめとする口臭以外の症状が同時に引き起こされるため、その場合は病気の根本的治療を行う必要があります。

「食事」が原因の場合

食事が原因で口臭が発生するときは、主に食事内のたんぱく質量や脂質量が多い場合ドッグフードが酸化している可能性の2パターンが考えられます。

たんぱく質量や脂質量に関しては肥満でない限りそれほど問題はありませんが、酸化しているドッグフードを与えている場合は犬の健康被害の原因になるので注意しましょう。

最近のドッグフードは、酸化防止剤をはじめとする添加物を使用していないものも多いので、しっかりと管理しないと劣化してしまう危険性があります。

また開封後の賞味期限も短いものが多いので、開封したドッグフードの保存方法には細心の注意を払いましょう。

「ケトーシス」が原因の場合

ケトーシスは重度の糖尿病の犬に引き起こされ、血液中にある「ケトン体」という物質が増加して口臭の原因になり得ます。

糖尿病性ケトーシスの場合は、口臭以外に食欲低下や元気喪失、嘔吐や下痢など様々な症状が現れます。ケトーシスによって口臭がする場合は、まずは糖尿病の根本的治療が必要となります。

口臭を伴いやすい犬

犬も人間同様に老化によって口臭が強まる傾向にありますが、口臭は老犬だけでなく歯周病が始まりやすい2~3才を超えたあたりの犬にも発生します。

また「口腔内乾燥」が原因で引き起こされる口臭に関しては、開口呼吸になりやすい短頭種や暑さに弱いダブルコートの長毛種に多くみられます。

犬の口臭の予防や原因別対策方法についてご紹介致しましたが、口臭が目立ってきたらまずはその原因が何であるかを突き止めなければいけません。

口臭の原因は一概に口腔内の問題であるとは言い切れませんので、毎日の歯磨きをはじめとする口腔内の健康維持のみならず、定期的な動物病院での検査や体全体の健康維持がとても大切です。