小型犬の乾燥による症状や対策

犬のお世話

乾燥は病気にもなりやすくなるのでしっかり対策しましょ!

秋、冬は乾燥の季節じゃな。乾燥肌にはつらい時期じゃな。

わたしはうるおっているわ。メンテナンスが大切よ。

わしもクリームくらいはつけとるんじゃが。

博士は手遅れかも。。。

秋から冬にかけて特に気がかりな乾燥。犬にとってはどのような影響があるのでしょうか。

人と同じようにケアが必要なのか心配になりますよね。そこで今回は、乾燥によって起こる症状や対策についてご紹介していきます。

小型犬の皮膚の特徴

痒い

まずは皮膚の基本的な構造や、特徴についてご説明しましょう。

構造

皮膚は、表皮・真皮・皮下組織と層になった構造をしていることはご存知でしょうか。そのなかで、もっとも外側にあり空気に触れたり、温度や湿度などを感じたりする表面の皮膚のことを表皮といいます。

生き物のなかでも人はこの表皮が薄いのですが、犬はそれ以上に薄く、非常にデリケート。皮膚トラブルが多い理由の一つでもあります。

ターンオーバー

皮膚は常に新しい細胞を作っています。そして、古い細胞が剥がれ落ち、下から新しい細胞が生まれてくるサイクルのことをターンオーバーといいます。

このターンオーバーの周期が犬は平均3週間です。古くなった一番上の表皮を角質といい、この角質が剥がれ落ちたものがフケとなります。




小型犬は乾燥に弱い

乾燥

犬の皮膚は非常に薄いとお伝えしましたが、その薄さはなんと人の1/3~1/5ともいわれていて、皮膚を保護するために全身が被毛で覆われています

そのため寒さには比較的強いですが、暑さや乾燥は弱点となります。空気の乾燥する季節や、暖房の強い室内などでは注意が必要です。

また、どちらかというとシングルコートや短毛の犬ほうが毛量が少なく、乾燥に弱い傾向があります。

小型犬の皮膚が乾燥したら出る症状とは?

乾燥

では、犬は乾燥するとどのような症状が現れるのでしょうか。

痒がる

人も乾燥する時期になると痒みを感じますが、犬も同じように痒がります。愛犬がよく皮膚を掻いているようであれば、乾燥が原因であるとも考えられるでしょう。

掻きすぎることで炎症を起こしてしまうこともあるので、早めに対策をしてあげましょう。

フケが増える

乾燥しかさつくとフケが増えます。ターンオーバーによって角質が剥がれ落ち、フケが出るのは自然なことですが、通常であれば常在菌が分解してくれるのでそれほど目立ちません。

ですが、乾燥や炎症など何らかの刺激により、ターンオーバーが通常より早くなると、常在菌による分解が追い付かず、フケが増え目立つようになってしまいます。

毛がパサパサする

皮膚だけではなく、被毛も同じように乾燥します。艶がなくなり、毛がパサパサとするので絡まり毛玉も増えやすくなるでしょう。

乾燥を伴う小型犬の皮膚病

病院

見た目ではただの乾燥やフケだと思っていても、皮膚病を患っている可能性もあります。その場合は治療が必要となるので、早めに動物病院を受診することが重要です。

乾燥を伴う代表的な皮膚病をご紹介します。

ノミやダニの寄生

ノミやダニが体に寄生すると、痒みやかさつきを引き起こします。予防薬を投薬していない場合には、寄生虫によるものの可能性も疑わなければなりません。

少しでも外に散歩に出るのであれば、必ず予防を行ってあげましょう。

脂漏症

名前からも脂っぽいことが想像つきますが、脂漏症は皮脂腺から過剰に脂が出るケースと、逆に脂があまり出なくなり、皮膚の角質化が進んでしまうケースがあります。

脂が出なくなる乾性脂漏症では、皮膚がかさついたり、フケが出たりし、痒みや脱毛などを伴います。

皮膚糸状菌症

皮膚糸状菌というカビが皮膚に侵入し、炎症を起こすものです。通常であれば、この菌をはねつける力がある程度はありますが、免疫力が落ちたりしていると菌に負けてしまうことがあります。

症状は、円形の脱毛、乾燥したようなフケです。痒みがないので、飼い主さんが気付きにくいことも多いでしょう。

アトピー性皮膚炎

食べ物や花粉、ハウスダストなど、なんらかのアレルギー物質が原因により起こるものです。激しい痒みを伴い、フケがみられることもあります。

また、皮膚のバリア機能が落ちていても症状が現れることがあるので、乾燥などが原因によるダメージにも気を付けたいですね。




小型犬の乾燥対策

トリミング

愛犬の皮膚や被毛を乾燥から保護するポイントをご紹介します。日常ケアで行えるものばかりなので、ぜひ気を配ってあげましょう。

保湿

まずは保湿が大切です。犬用の保湿スプレーや、シャンプーのあとに使うことで、保湿ができるトリートメントなどが販売されていますので、このような便利グッズを使用するのもおすすめです。

シャンプーをしすぎない

愛犬の皮膚を清潔に保つためにこまめなケアは必要ですが、洗いすぎには気を付けなければいけません。

過剰に洗浄すると、必要な皮脂まで洗い流されてしまい、皮膚のバリア機能が低下してしまいます。バリア機能が低下すると、乾燥などの刺激によるダメージが大きくなります。

皮膚が健康なのであれば、月に1~2回程度のシャンプーで良いでしょう。

シャンプーの成分

シャンプー剤の成分にも着目して、愛犬に合ったものを選んであげると良いですね。脂っぽい皮膚用の液剤や薬用のものを使用すると、必要な皮脂まで洗い流してしまうことがあります。

すると、より乾燥したり、皮膚がダメージを受けやすくなったりしてしまいます。また、人用のシャンプーは、人の肌に合わせて弱酸性のものが多いです。ですが、犬の皮膚は弱アルカリ性。

人とはPHが異なりますので、人用のもので洗うことはやめておいた方が良いでしょう。

お湯の温度

もし自宅で愛犬を洗ってあげるのであれば、もう一つ気を付けてあげたいのが、お湯の温度。犬のお湯の適温は37℃前後で、人にとっては少しぬるま湯と感じるくらいです。

特に乾燥を心配する秋から冬は、寒い時期ですよね。ついつい寒いだろうと、熱めのお湯で洗ってあげたくなりますが、熱いお湯も必要な皮脂を洗い流してしまうので気を付けましょう。

加湿

部屋を暖めるための暖房でも、犬の皮膚は乾燥してしまいます。部屋の湿度が低い、カラカラしていると思ったら、加湿器を使用するなどして気を配ってあげることも大切です。

小型犬の皮膚についてまとめ

ポメラニアン

犬の皮膚は人よりももっと薄くデリケートです。そのため乾燥に弱く、皮膚炎などのトラブルに発展しがち

犬は全身を被毛で覆われているため、中々異変に気付きにくいものです。毎日ブラッシングをするなどして、皮膚の状態を頻繁に観察してあげてくださいね。

また、日常ケアや予防にも力を入れてあげましょう。

犬も乾燥には気をつけんとあかんのじゃ。

そうね。人間よりも敏感だわ。

加湿器でもくもく煙だすのじゃ。