シニア犬のおやつの選び方。体の負担にならないおやつを選ぶ

犬のおやつ

シニア犬に食べさせてもいいおやつってあるのかな?どんなおやつがいいのか知りたい!おやつの選び方教えてほしい。

こんな疑問に答えていきます。

可愛い愛犬の喜ぶ表情見たさにおやつを与える飼い主さんは多いかと思いますが、おやつ選びは少し工夫するだけで、単純に犬を喜ばせるだけでなくシニア犬の健康維持にも役立つようになります。

シニア犬の飼い主さん必見のおやつの選び方について知りたい方は読み進めてみてください。

目次

  1. 基本的なシニア犬のおやつの選び方
    • 運動量が低下したシニア県には低カロリーのおやつを選ぶ
    • シニア犬には胃腸に優しいおやつを選ぶ
    • 老化予防に役立つおやつを選ぶ
  2. シニア犬の状態別で選ぶおやつ
    • 歯が弱いシニア犬のおやつ
    • 食欲がないシニア犬のおやつ
    • 内臓に疾患があるシニア犬のおやつ
  3. 目的別シニア犬のおやつの選び方
    • シニア犬の歯の健康維持をしたい
    • シニア犬の足腰の健康維持をしたい
    • シニア犬の被毛や皮膚の健康維持をしたい
    • 食欲がないシニア犬にとにかく食べて欲しい
  4. まとめ

基本的なシニア犬のおやつの選び方

シュナウザー

シニア犬といっても状態は様々ですが、基本的なシニア犬のおやつの選び方を解説していきます。

運動量が低下したシニア県には低カロリーのおやつを選ぶ

運動量が成犬時と変わらないシニア犬の場合は低カロリーおやつに拘る必要はありませんが、運動量が低下しているシニア犬の場合は低カロリーのおやつを選びましょう。

運動量に対しておやつでのエネルギー摂取量が多くなると肥満の原因となり、さらに肥満は病気の予備軍となります。シニア犬が発症しやすい糖尿病をはじめとし、肥満は足腰、腎臓や肝臓、心臓にも大きな負担をかけるので低カロリーのおやつを選びましょう。

シニア犬には胃腸に優しいおやつを選ぶ

犬については全年齢のおやつ選びの基本にもなりますが、特に免疫力が低下しがちなシニア犬の場合は胃腸に優しい消化しやすいおやつを選びましょう。

犬の腸には免疫細胞が多くあり、体全体の免疫細胞のうちの約7割が腸に集中していると言われているので、胃腸に優しいおやつを選んであげることは免疫力改善にも役立ちます。良質な動物性タンパク質が主成分になっているおやつ、または乳酸菌やオリゴ糖、ファイトケミカルなどの<栄養素が含まれているおやつを選ぶと良いでしょう。

老化予防に役立つおやつを選ぶ

シニア犬の場合は特にEPAやDHA(オメガ3脂肪酸)の栄養素が必要となるケースが多いので、与えているドッグフードに十分なEPAやDHAが含まれていない場合は、これらの栄養素が含まれたおやつを選ぶと良いでしょう。

EPAやDHAはシニア犬の股関節疾患や関節炎の症状緩和にも役立ち、その他にも心不全や腎不全予防が期待できるシニア犬に積極的に与えたい栄養素です。体の様々な老化現象を緩やかにする為にも有効な成分ですので、まぐろをはじめとした魚系のおやつを選んであげましょう。

シニア犬の状態別で選ぶおやつ

シニア期

シニア犬の状態によって選ぶおやつを変えるとよいでしょう。

歯が弱いシニア犬のおやつ

シニア犬になるとどうしても歯が弱くなりがちで、歯周病や虫歯をはじめとし歯に何かしらの疾患をかかえている犬が多くいます。特に年齢的に全身麻酔での口腔内処置にリスクが伴いがちで、治療できずに放置せざるを得ない状況で歯自体がない犬も多くいます。

また、歯根の腫瘍など何かしらの理由で犬が固いおやつを食べることが出来ない場合は、ジェル状、またはゼリー状のおやつを中心に歯や口腔内に負担がかからないような柔らかいおやつを選びましょう。ちなみにジェル状やゼリー状のおやつには水分が多く含まれているので、シニア犬の水分摂取量を増やすことができます。

食欲がないシニア犬のおやつ

病気や老衰など何かしらの理由で食欲がないシニア犬には、嗜好性の高いおやつを選んであげましょう。犬は食事を食べるときに鋭い嗅覚を利用しますが、シニア犬の場合は嗅覚の衰えが原因で食べ物を口にするのを嫌がることもあります。

そんな時は、香りが強い水分量の多いおやつを選んであげると食べるようになるシニア犬もいます。多くの食材は水分や熱を加えることによって香りが増すので、このようなおやつはシニア犬も好んで食べる傾向にあります。

水分量の多いパウチや缶詰のおやつを選んであげても良いですし、少し温めた山羊ミルクや無調整豆乳などにビスケットやボーロのおやつを浸して与えるのも効果的でしょう。

内臓に疾患があるシニア犬のおやつ

シニア犬の場合は腎臓や肝臓の機能が低下する傾向にあり、内臓疾患を発症していることがあります。そんなシニア犬の場合は、過剰なタンパク質摂取で腎臓や肝臓にさらなる負担をかけないようにすることが大切ですので、良質なタンパク質を使用したおやつを選んであげましょう。

また、重度の内臓疾患の場合は良質なタンパク質に加えてタンパク質量が少ないおやつを選ぶことも大切です。

血液検査で血中尿素窒素(BUN)、クレアチニン(Cre)、IP(リン)、アルカリフォスファターゼ(ALP)、総コレステロール(T-Cho)などの値が高いシニア犬の場合は特に低品質なタンパク質の過剰摂取には注意が必要です。

目的別シニア犬のおやつの選び方

歯磨き

シニア犬の歯の健康維持をしたい

デンタルケア用おやつは大抵ガムやジャーキー状になっており硬いおやつが多いので、歯が弱いシニア犬や気管が弱っていて飲み込む力がないシニア犬の場合は、以下のような歯の健康維持に役立つ栄養素が配合された柔らかいおやつを選んであげても良いでしょう。

卵黄粉末が含まれているおやつ

歯周病の進行を緩やかにする

乳酸菌が配合されているおやつ

口腔内のpHが酸性に近づき歯石をつきにくくする

茶カテキンが配合されているおやつ

口臭予防の効果が期待できる

シニア犬の足腰の健康維持をしたい

シニア犬になるとどうしても足腰が弱くなりがちですので、足腰の健康維持に役立つおやつを選ぶと良いでしょう。関節炎をはじめとし足腰に問題がある場合は、グルコサミンやコンドロイチンが含まれているおやつが効果的ですが、ドッグフードに十分にこれらの栄養素が入っている場合は特におやつで補う必要はありません。

シニア犬の被毛や皮膚の健康維持をしたい

シニア犬は、皮膚の乾燥から毛の潤いもなくなり、同時に新陳代謝も悪くなることから毛の生え変わりも少なくなります。その他にも被毛にまで栄養素が行き渡らなくなるなど被毛トラブルや皮膚トラブルが起こりやすくなるため、被毛と皮膚の健康維持に役立つ栄養素が入っているおやつを選ぶことも大切です。

被毛や皮膚の健康維持には植物性のオメガ脂肪酸が効果的ですので、亜麻仁油やカノーラ油などを利用したおやつを選ぶと良いでしょう。

食欲がないシニア犬にとにかく食べて欲しい

シニア犬になると食事にムラがでたり全く食べなくなったりすることがありますが、そんな時は飼い主であればとにかく何でもいいから食べて欲しいと思うでしょう。そんな時は、嗜好性の高い水分量の多いおやつを与えるのも効果的ですが、犬にとって「甘味」があるおやつ、または「うま味」があるおやつを選ぶことも大切です。

犬は人間ほど味を感じる能力がありませんが、実は犬も甘味、塩味、酸味、苦味、うま味の5つの味を感じることができると言われています。

犬が持ち合わせている味覚細胞は、ショ糖に敏感に反応するようになっていることから犬は「甘味」を好む傾向にありますが、実は人工で作られた甘味には犬にとっての「苦味成分」が含まれていることがあるため、「甘味」を基本としておやつを選ぶのであれば自然な果実のような果糖成分が入ったおやつを与えると良いでしょう。

また、「旨味」については最近発見された犬の味覚の1つで、アミノ酸に反応する犬が多いことから犬が好む味であると言われています。アミノ酸の中でもアラニン、リジン、プロリン、ヒスチジン、ロイシンという成分に反応を示しやすいと言われています。

シニアになると犬は嗅覚のみならず味覚も衰える傾向にあるので、犬がよく反応する味を選んでおやつを選ぶことも大切です。

まとめ

シニア犬のおやつの選び方についてご紹介致しましたが、シニア犬の場合は何より体に負担がかかりにくいおやつを選んであげることが大切です。その上で、個々の体やその時の状況に合わせておやつを選んであげると良いでしょう。

記載の仕方は様々ですが、大抵のおやつはパッケージに無添加、胃腸に優しい、腎臓ケアなどのその商品の特徴が記載されており、おやつに含まれている主な栄養素も表記してあります。パッケージ内容をしっかりと確認してシニア犬の健康に役立つおやつを選びましょう。