シニア犬のドッグフードの選び方。低タンパク質にすべき?
シニア犬は運動量が減ってくるしドッグフードも状態に合わせて変える必要があるわ。
食べない方が良いといわれている成分に関してはどの時期の犬にも当てはまるので、参考にするべきじゃ。
では、さっそくシニア犬のドッグフードについて説明するわ。
一般的にシニア犬というと小型犬や中型犬で10歳前後、大型犬で8歳前後と言われており、シニア用のドッグフードというと大抵7歳以上と表記があります。
この時期にシニア犬用のドッグフードに切り替える飼い主さんがいますが、犬のシニア年齢については犬種差や個体差が非常に大きく、一概に何歳になったらシニア食に切り変えた方がいいとは言い切れません。
だからシニア犬用に切り替えるタイミングは、シニア犬によって違うって思って!シニア犬用のドッグフードに切り替えるタイミングは以下の2点に気をつけます。
- 運動量が低下したタイミング
- 腎臓や肝臓に疾患を起こしたら
今回は、シニア犬のドッグフードについて切り替えるタイミングや選び方について幅広くご紹介致しますので、シニア犬用ドッグフードを検討している飼い主さんは是非ご活用ください。
シニア犬のドッグフードに切り替えるタイミング
犬の運動量低下に合わせる
シニア犬の場合は成犬時に比べて運動量が低下する傾向にあります。
運動量が大幅に減った場合は、肥満や過剰な栄養補給にならないように低タンパク質や低脂質のドッグフードに切り替える必要がありますが、運動量が成犬時と変わらない健康体のシニア犬の場合はあえてシニア犬用のドッグフードを選ぶ必要はありません。
運動量が変わらないのに低タンパク質や低脂質のドッグフードに切り替えてしまうと、その犬の体に必要な栄養素が不足する原因になります。
犬の体の変化に合わせる
シニア犬になるとどうしても内臓疾患を中心に病気を発症しやすくなります。
そのため、自己判断ではなくしっかりと動物病院で血液検査などを行って腎臓や肝臓に疾患があれば低タンパク質、低脂質のシニア犬用のドッグフードに切り替えましょう。
内臓を中心に健康状態に問題がなく運動量が低下していない犬の場合は、一般的にシニアといわれる年齢であっても低タンパク質、低脂質のドッグフードを与える必要はありません。
シニア犬のドッグフードの選び方
低タンパク質のドッグフードを選ぶべき?
シニア犬のドッグフードというと低タンパク質フードが数多く販売されていますが、実は健康体で運動量が成犬時と変わらない犬であれば高齢であっても、低タンパク質のドッグフードに切り替える必要はありません。
しかしながら、運動量が極端に減っている犬の場合は過度なタンパク質摂取は肥満の原因となるので避けたほうが良いでしょう。
実はシニア犬の場合はタンパク質の代謝能力が低下する傾向にあることから、低タンパク質のドッグフードに切り替えるという認識が広まっていますが、これには反対意見も多くあります。
シニア犬はタンパク質量の代謝機能が低下しているからこそ、体に吸収されない分のタンパク質を補うために高タンパク質のドッグフードを与えた方が良いと考える専門家もいます。
ここで注意が必要なのは、タンパク質量のみならずそのタンパク質の質にこだわるという点であり特にシニア犬の場合は、消化によい良質な動物性タンパク質が主成分となっているドッグフードを選びましょう。
植物性のタンパク質が主成分となっている場合は、胃腸機能が低下しやすいシニア犬の消化器官のみならず腎臓や肝臓にも負担をかけやすいので注意が必要です。
内臓疾患があるシニア犬の場合
犬も年齢を重ねると内臓の病気、または内臓機能の低下が見られる傾向にありますが、特に腎臓や肝臓に何かしらの疾患があるシニア犬の場合はドッグフードのタンパク質量とその質が重要視され、内臓に負担がかかりにくい良質な低タンパク質のドライフードが良いとされます。
腎臓の例を挙げると、腎臓については「クレアチニン」と呼ばれる数値を血液検査で測ることによって腎臓疾患の有無を考える上での1つの目安にします。
この「クレアチニン」は犬が摂取したタンパク質の老廃物であると考えられていますので、「クレアチニン」の数値が高いということは、犬の体に不要なタンパク質の老廃物が多いと考えられます。
そのため腎臓疾患がある犬の場合は、摂取するタンパク質量を減らしてタンパク質の老廃物を根本的に減らすことが好ましいとされます。
専門家によって見解が異なるものの、腎臓や肝臓など内臓疾患が生じている犬の場合は高タンパク質のドッグフードがこれらの臓器にさらなる負担をかけやすいということは否定できません。
オメガ3脂肪酸が含まれたドッグフード
オメガ3脂肪酸は犬用サプリメントでもよく見かけますが、オメガ3脂肪酸のEPAやDHAはシニア犬に起こりやすい骨の疾患や関節症、心不全や腎不全予防などに効果的であるとも言われています。
また、犬の体内で起こりうる様々な炎症を抑えるのに役立ち、抗酸化作用(病気の要因となる体内の活性酸素から体を守る作用)があるので、病気を発症しやすいシニア犬の免疫応援に役立ちます。
犬は体内でオメガ3脂肪酸を合成出来ないため、シニア犬に関わらずドッグフードを選ぶ時はしっかりとオメガ3脂肪酸の含有量を確認すると良いでしょう。
歳を取るとどうしても体の様々な部位が老化しがちですが、オメガ3脂肪酸については老化防止の効果も期待できます。
グルコサミンやコンドロイチンが含まれたドッグフード
シニア犬の場合はどうしても脚や股関節が弱くなりやすいため、運動量が減ったシニア犬や大型犬のシニア犬で股関節に不安がある場合など、状況に応じてグルコサミンやコンドロイチンが含まれているドッグフードを選ぶと良いでしょう。
グルコサミンやコンドロイチンには様々な効能がありますが、特に炎症を和らげたり関節の修復をしたりするのに役立ちます。
嗜好性の高いドッグフード
シニア犬で老衰によって食事にむらがでている犬、または食欲がない犬の場合は嗜好性の高いドッグフードを選ぶと良いでしょう。
ドライフードを食べないシニア犬が、ウェットフードやセミモイストフードに切り替えたら食べるようになったという話をよく聞きますが、これはフード内の水分量(ドライフードが10%程度であるのに対してウェットフードは75%程度、セミウェットフードは25~35%程度)が多いことから香りが増して犬の嗜好性が上がるためです。
消化によいドッグフード
成犬であっても消化によいドッグフードを選ぶことは大切ですが、免疫力が低下しやすいシニア犬の場合は特に消化によいドッグフードを与えることが免疫力向上に役立ちます。
犬の最大の免疫細胞は腸にあると言われており、何と体の免疫細胞のうちの約7割が腸に集中しています。
そのため腸内環境を整えるドッグフードを選ぶことは、免疫力が低下しやすいシニア犬にとって非常に大切ですので、良質な動物性タンパク質が主成分になっているドッグフードや食物繊維が適度に含まれているドッグフード、穀物不使用のグレインフリーのドッグフードなどを選ぶと良いでしょう。
添加物が含まれていないドッグフード
どの年齢の犬にも添加物が含まれていないドッグフードが好ましいと言えますが、特にシニア犬は癌を発症しやすいので保存料、酸化防止剤、着色料、保湿剤などの添加物が含まれていないドッグフードを選ぶと良いでしょう。
添加物にはエトキシキン、ソルビン酸カリウム、BHT、BHA、プロピレングリコール、赤102、青2、黄4(5)、二酸化チタン、プロビレングリコールなど数多くの種類がありますが、その多くに発がん物質が含まれています。
もちろん添加物の入ったドッグフードを食べたからといってすぐに癌を発症するわけではありませんが、長期的に毎日摂取するドッグフードですので少しでも犬の健康に害を及ぼす危険性があるものは犬の食事から排除したいものです。
添加物には犬の嗜好性を高めるための物質が入っていることがあり、食欲が低下したシニア犬の場合は無添加のドッグフードを食べなくなることもありますが、その場合はウェットフードやセミウェットフードなどの添加物に頼らずに嗜好性をあげることができるドッグフードを選ぶと良いでしょう。
シニア犬のドッグフードについてまとめ
シニア犬のドッグフードの選び方についてご紹介致しましたが、シニア犬の場合は年齢によってドッグフードを変えるのではなく、犬の健康状態と運動量を配慮してドッグフードを選ぶことが一番大切です。
定期的な血液検査などの健康診断結果を配慮したり、日々犬の体に変化がないかを確認したりしながらその犬にとって適切なドッグフードを選んであげましょう。
シニア犬の場合は、飼い主が健康状態をしっかりとチェックしておくことが大切じゃ。
健康状態が変化したと感じたら動物病院を受診し食べ物についても相談してみることをおすすめするわ。