犬の気持ちを理解するためにチェックしたいポイント

犬の疑問

犬と人間は当たり前ですがお互い言葉が通じることはありません。

しかし、だからといって犬が人間の言葉を理解しないということは決してなく、むしろ200以上の言葉を理解することができます。

だからこそ、おすわりやフセといった指示を言葉だけで実行することができますし、お手やおかわりといったちょっとした芸だってマスターできるのです。

しかし、その行動自体を覚えさせることと犬自身の気持ちを理解することは別の問題。

犬が指示に従って芸をしたからといって、必ず犬が喜んでいたり不満に思っているわけでもありませんよね。

でもそうした犬の気持ちをどこで判断すればいいのかを知らないと分かりませんし、場合によってはそれが分からないことでしつけや関係性にも影響がでることがあります。

できるだけスムーズに良好な関係を築いていくためにも、犬気持ちが理解できるようにぜひポイントを押さえておきましょう!




犬の気持ちを理解するポイントは全身の様子で判断

犬の気持ちを理解しようと思った時、あなたはどこを見て喜怒哀楽を判断しますか?多くの場合はしっぽを振っているか股の下に入れているか?牙を剥いているか?といったところを見るかと思います。

しかし、犬の気持ちを理解するためにはしっぽや牙の様子だけでは判断できません。

では、いったいどこを見て犬の気持ちを判断したらいいのかというと、それはボディランゲージと呼ばれる犬の体全体の様子です。

ただ、ボディランゲージ全てを覚えるのはちょっとハードルが高く感じるかも知れませんので、ここでは簡単な感情を見極めるコツをお教えします。

しっぽを腰くらいの位置で緩く振っているときは嬉しいサイン

犬がしっぽを振っているときは嬉しい気持ちを表していると言いますが、ただしっぽを振っているのではなく緊張のない様子で振っていることが前提となります。

逆に緊張した様子でしっぽの振りが硬いときは警戒の警戒している様子になるため、迂闊に近寄ったり触ったりしないようにしましょう。

低い姿勢・位置で緩やかにしっぽを振っているときは服従のサイン

こちらもしっぽに関する感情を見極めるポイントですが、今度は低い位置で緩やかにというところがポイントです。

そして合わせてもう一つのポイントが姿勢を低くしていること。

姿勢を低くして緩やかにしっぽを振るということは、相手に対して服従をしていることを表しています。

ただ、服従といっても恐怖心のようなマイナスなイメージではなく、子供が親に静かに甘えるような気持ちです。

目や体全体に力が入っているときは緊張・警戒のサイン

犬がムキムキ歯を向けていたら怒っていたり威嚇をしているサインということはわかりますが、そうでなければ大丈夫だろうと安易に判断してしまうのではないでしょうか。

しかし、よく観察すると目や体に力が入って緊張感を出していることがあります。

例えば、大好きなおやつやおもちゃを取られるかも知れないと感じたとき、唸るまではいかなくても行動がゆっくりになってこばわっているようなあのときです。

そんなときに手を出そうものなら唸ったり攻撃してきた…という経験があると思いますが、まさしくその手前で出していたサインがこの緊張・警戒のサインです。

暑くもないのに口で呼吸したりあくびをするのは緊張のサイン

過度な緊張があると口で呼吸をしたり、眠くもないのに急にあくびをしだすことがあります。

分かりやすいのが動物病院に連れて行ったときが多いです。

診察台に乗せるとさっきまで元気だったのに急にあくびをしだした、ということはよくあります。

眠いのかな?と思いつつも、でもさっきまでそんな様子はなかったしどうしたんだろう?と思ったことはありませんか?

苦手な場所や知らない人などを前にしたときあくびが見られたり、暑くもないのに口で呼吸をしだしたら緊張をしているサインです。

犬の気持ちはリラックス?あなたは犬のざぶとんになっている

犬の気持ちを理解するうえでわかりやすいようで分かりにくい喜び・服従・緊張・警戒をご紹介しましたが、これは愛情表現やリラックスしているに違いないと思われているありがちな様子をひとつご紹介します。

それが、あなたの膝やお腹に乗ってくつろぐという行為です。

あなたがソファなどでくつろいでいるとき、飼い主さんと一緒にゆっくりしようといった様子であなたの上にちょこんと乗ってくることがありますよね。

その様子に「可愛い子だなぁ…」と頭をなでなでしたりしてしまうわけですが、犬からしてみればあなたは座布団のような存在になっています。

確かに、心地の良い時間を共有しようと思っているかも知れませんが、犬が上に乗るという行為は犬同士の間では上の者が下の者にする行為です。

つまり、そうした行為を当たり前にやってくるということは、あなたとの関係性があるべき姿として逆転してしまっているということ。

犬と良好な関係を作るためには主従関係の構築として、飼い主がリーダーであり犬はその仲間といった立ち位置であることが理想です。

しかし、そうした立場は関係なく犬と付き合っていきたいという人は気にしなくてもいいと思いますが、それを望むであれば犬にあなたが求めている要求を聞かそうとしてはいけません。

ちょっとした芸であればおやつほしさで聞いてくれると思いますが、しつけの一環として指示を守らせようというのは関係が成り立っていないと不可能です。

もし、あなたと愛犬の関係が良好であるという定義が『しつけのための指示にもちゃんと従う』というものなら、犬の行動が何を表しどんな気持ちでいるのかを理解する必要があります。




犬の気持ちが理解できるようになるとしつけもしやすい

犬の気持ちを理解するとき、多くの飼い主は人間で例えて過度な擬人化をしてしまいがちです。

例えば次のようなケースがよくあります。

狭いところよりも広いところの方が嬉しいからクレートに入れるのはかわいそう
犬はあなぐら穴蔵のような狭くて薄暗い場所の方が落ち着く


ドッグフードだけだとかわいそうだし食べたがらないからトッピングをしたら喜んで食べてくれる
食べろとされると食べたくなくなるうえに食べなければもっと美味しいものをもらえると学習する

こうしたことはすごくよくあることで、むしろこうした過度な擬人化が原因でしつけができず、結果としてトラブルに悩まされている飼い主さんが非常に多いのです。

また、こうした擬人化による考え方はあくまでもごく一部の例であり、ほとんどの飼い主さんは全てに置いて擬人化して考えがち。

そのせいで主従関係も逆転し犬は自分の方が偉い立場であると認識し、そのせいでいざしつけをしようと思ってもしつけが入らずうまくいかないという悪循環になります。

もし、あなたが愛犬に指示を聞かせしつけをできるようになろうと考えているのであれば、本当の意味で犬の考えていること、気持ちを理解し接するようにしましょう。

犬の気持ちを理解するためにチェックしたいポイントまとめ

今回は犬の気持ちを理解する簡単なチェックポイントと、本当に気持ちを理解することができればしつけも入りやすいということについてお話ししました。

犬の行動や体の動きでどんな気持ちでいるのかを理解するのは難しいことではありませんが、間違った解釈や過度な擬人化によってしつけがしにくくなったりトラブルを招くことにもなりかねません。

犬との良好な関係を築いていくためにも、ぜひ正しい知識をもって犬の気持ちを理解いしてあげてください。