犬の行動からどんな気持ちかを知りたい

犬のお話

愛犬ともっと仲良くなりたい、もっと楽しく過ごしたい、愛犬のストレスを減らしてあげたい・・・私は愛犬の気持ちをちゃんと理解できている?と不意に不安になることがあるでしょう。

犬は人間の感情に共感するものです。飼い主がうれしい、楽しい時は同じ気持ちになり、落ち込んでいる時はそばにそっと寄り添ってくれるでしょう。今回は愛犬のボディランゲージや行動から気持ちを読み解く方法をご紹介させていただきます。

尻尾は顔以上に気持ちが現れるポイント

ポイント

犬にとって尻尾は日々の生活でとても重要な役割を果たしています。どんなにフレンドリーな愛犬でも尻尾に触れられることを嫌がるのはこのためです。

愛犬の尻尾から気持ちを読み解く方法をいくつかご紹介させていただきましょう。

尻尾が高く上がり、大きく左右に揺れている

これはうれしいとき、テンションが高い時にみられるボディランゲージです。愛犬の表情も明るく、まるで笑顔を見せているようでしょう。

このとき耳も低くなり、下がっていることがあります。まさに全身で愛犬が喜びやうれしさを表しているからです。家族が帰宅した時や散歩に出かけるときによく見せてくれるでしょう。

愛犬にとってこの仕草は何よりの感情表現です。日々の生活ではたとえ忙しい時、疲れている時でも、愛犬を無視することなく声をかけたり、頭を撫でてあげるなどのコミュニケーションをとってあげると、お互いの感情がマッチしよりよい関係性につながってゆきます。

尻尾をやや下げたままで、振らずにたらしている

尻尾は感情のバロメーターです。愛犬の尻尾が低く下がっているということは、それだけテンションが低いということです。

テンションが下がってしまう理由は、叱られた時、これから留守番になることが分かっている時、恐怖を感じている時、疲れている時など様々です。

尻尾をだらんと地面まで下げていることもあれば、中間地点で維持していることもあり、その高さによって愛犬の気持ちを理解してあげましょう。

もしこのような仕草がドッグランや散歩中に見られる時は、無暗に他人や他犬へ近づけることをせずに、そっとその場から離れたり、愛犬を抱き上げてあげましょう。

この時、愛犬に無理強いをさせてしまうと、愛犬は不快感を示し、他犬と喧嘩になったり、険悪な雰囲気になりかねません。他人も同様で、威嚇や噛みつきなどにつながることもあるので注意しましょう。

尻尾を後肢の間に巻き込み、隠すような仕草を見せている

普段は滅多に見られない行動ですが、愛犬が尻尾を後肢の間に巻き込むような仕草を見せることがあります。この時、腰も下がり低い姿勢になり、性格によっては体を震わせていることもあるでしょう。これは愛犬が極限状態の恐怖を感じているサインです。

トリミングショップやペットホテル、動物病院など見知らぬ犬や人が大勢いる場所で見せることが多々あります。中には散歩中に他犬に遭遇した時に、このような仕草を見せることもあります。

もし愛犬がこのような仕草を見せる時は、これ以上愛犬を追い詰めてしまわないように、行き先の方向転換をしたり、抱き上げ落ち着かせるように優しく声をかけたりという対処を心掛けてあげましょう。

尻尾を振ることへのありがちな誤解

犬が尻尾を振る事は必ずしも喜び、歓迎のサインではありません。時には過度な興奮、威嚇、恐怖の意味合いで尻尾をふることがあります。

この行動はたびたび誤解をうけることがあり、誤解をしたままで犬に近づくことで犬から反撃を受けるというトラブルがあります。

もし愛犬が喜びや歓迎の意味を込めて尻尾を振っている時は、耳は低く下がり、表情も明かるいはずです。

反面、威嚇や興奮、攻撃の意味であれば、耳は緊張感が漂いピンと立ち、表情は引き締まっています。時には吠えていることもあるでしょう。

犬が好きという方、すれ違いざまに犬に触れようとする方の中にはこの差を知らない方も大勢います。愛犬を連れ外出をするときは、愛犬がどのような気持ちで尻尾を振っているのかを見極め、周囲にも伝えるよう心掛けましょう。

愛犬からのストレスサインは早めに察知を

平日は毎日長時間の留守番生活というご家庭も少なくないでしょう。日々留守番をしている愛犬が寂しさや不安、退屈さを感じているだろうと後ろめたい気持ちにもなります。

犬はとても感情豊かな動物ですから、一人きりで過ごすことに当然ストレスを感じています。ただストレスの感じ方には差異があり、必ずしもすべての犬が耐えられないというわけではありません。

犬がストレスを感じている時に見せる行動の1つに「足舐め」があります。これは自身の前足を舐め続ける行為です。人間の子供が爪を噛んだり、指をしゃぶる行為によく似ています。この行為をすることで精神的な安定を一時的に得られるのです。

ただ犬の場合、被毛で覆われ、汗腺のある足先を何度も舐めることで、足先は余計な湿気を帯び、皮膚がふやけてしまったり、被毛が変色をしたりというトラブルに見舞われてしまいます。

中には肉球があかぎれ状にひび割れ、歩行時に痛みを生じるケースもあります。足舐めは犬が見せる代表的なストレスサインです。

もし愛犬がこのような行動を見せる場合は、留守番中の退屈しのぎの方法を考えてあげましょう。知育玩具などを使いフードやオヤツを与えたり、多頭飼いという方法もその1つです。

足舐めは家族が叱るだけでは改善できません。症状がひどく足先が傷になっている場合は、動物病院を受診し治療とエリザベスカラーで患部の保護をしてあげましょう。

食欲の減退、体重減少、散歩拒否などメンタルからくる不調も

犬も精神的に辛い事が起きたり、毎日の生活でストレスを抱えていると様々な体の不調が起こります。単なる好き嫌い、偏食と思っていた愛犬の行動が実は日々のストレスが原因だったということも珍しくありません。

目に見えないストレスをケアをすることは、なかなか難しい問題でしょう。何をしてあげたらいいのか?と飼い主が思い悩んでしまうこともあります。

そのような時は、「飼い主が楽しいこと」を愛犬と一緒に始めてみましょう。

POINT

  • 天気のいい日に公園へ散歩に出かける
  • 愛犬と一緒にドライブ
  • 犬連れOKな施設やアウトレットモールなどへショッピング
  • ドッグランで思い切り遊ばせる
  • 犬連れOKなカフェのテラス席でコーヒーを飲む
  • ペットショップ巡りで様々な商品を見てみる
  • ペット関連のイベントへ愛犬と一緒に参加する

犬は人間の感情に共感するものです。飼い主が楽しい、うれしいという気持ちでいてくれたら、愛犬もきっと共感し同じ気持ちになってくれるでしょう。

もちろん犬それぞれの特性もあるので、活発な愛犬なら一緒に体を動かす方法を考えてみましょう。人見知りでシャイな愛犬なら抱っこやキャリーバックでのお出かけでも十分に楽しむことが出来ます。

毎日単調で退屈な生活をさせていることに後ろめたさを感じるなら、ぜひ休日や日々のわずかな空き時間を上手に活用してゆきましょう。

行動範囲が広がり、愛犬との過ごし方のバリエーションが増える中で、次第に愛犬が何を楽しいと思っているのかが見えてくるはずです。

愛犬のボディランゲージは愛犬自身から学び、理解することが何より効果的な勉強法ですから、ぜひいろいろな方法で楽しむ時間を作ってゆきましょう。