成犬のおやつの選び方。添加物を食べ続ける影響は?

犬のおやつ

・安心して食べさせられるおやつあるかな?
・おやつの選び方がわからない。

こんな疑問に答える内容の記事になっています。

最近は犬のおやつと言うと本当に様々な種類があり、どうしてもおやつ選びで迷ってしまいます。選ぶ時のポイントは以下の2点です。

  1. 成犬にとって安心して与えられるおやつであるか
  2. 成犬の体に負担をかけにくいおやつであるか

この後の解説を読むと愛犬に安全なおやつを選んであげることができるでしょう。愛犬に健康的なおやつを与えたいと考えている飼い主さんは是非ご活用ください。

目次

  1. 成犬用のおやつはいつから与えていい?
    • 犬の年齢から考える成犬のおやつ
    • 体の成長が完全にとまった段階で切り替える
  2. 安全性の高いおやつの選び方
    • 無添加のおやつを選ぶ
    • ヒューマングレードのおやつを選ぶ
  3. 体に負担をかけないおやつの選び方
    • グレインフリーのおやつを選ぶ
    • 肥満になりにくいおやつを選ぶ
  4. まとめ

成犬用のおやつはいつから与えていい?

ダックスフンドの運動

犬の年齢から考える成犬のおやつ

犬のおやつは子犬用やシニア犬用もありますが、やはりライフステージ別で必要な栄養素が異なるので一般的な年齢を目安にしておやつを選んであげる必要があります。

全犬種の年齢の目安

子犬期 0歳~1歳
成犬期 1歳~7歳
老犬期 7歳以上

上記の表で考えると1歳以降から成犬用のおやつを与えてしまいがちですがサイズによって成犬年齢は異なりますので注意しましょう。

サイズ別の成犬年齢の目安

超小型犬 生後6か月以上
小型犬 生後6ヶ月~10か月程度
中型犬 生後12カ月以上
大型犬 生後15か月~18か月程度
超大型犬 生後18か月~24か月程度

上記の表を参考に成犬のおやつに切り替えると良いでしょう。

体の成長が完全にとまった段階で切り替える

同じサイズの犬であっても体の成長は多少異なるので、一般的な成犬年齢を目安とした上で個々の犬に合わせて成犬用おやつに切り替えることが大切です。

体の成長が完全にとまれば立派な成犬ですので、体重や胴回りのサイズ、背丈の長さが固定された段階で成犬用のおやつを与えると良いでしょう。

ちなみに大幅に運動量が減ったり睡眠時間が増えたりしたらシニア犬のはじまりのサインですので、その場合は年齢を考慮した上でシニア犬のおやつに切り替えましょう。

安全性の高いおやつの選び方

着色料

無添加のおやつを選ぶ

安全性を考えて成犬のおやつを選ぶのであれば、無添加のおやつに越したことはありません。全てではありませんが、保存料、酸化防止剤、着色料、保湿剤などの添加物には大抵は発がん物質が含まれているため注意が必要です。

がんの発症についてはシニア犬の割合が非常に高く、添加物の入ったおやつを成犬が食べたからと言ってすぐにがんを発症するような危険性はありません。しかしながら、発がん物質を長い成犬のライフステージで摂取させ続けることには大きな問題があり、シニア期に入ってからのがんの発症リスクを高めます。

添加物には発がん物質以外にも、蕁麻疹を含むアレルギー症状を引き起こしたり下痢や嘔吐など消化器症状を引き起こしたりするものなど様々です。

長期間継続して与える場合は、特に発がん物質が含まれる「エトキシキン」や「ソルビン酸カリウム」などの保存料、「BHT」や「BHA」などの酸化防止剤、着色料の「赤102」、「青2」、「黄4(5)」、「二酸化チタン」が添加されていないおやつを選ぶことが大切です。

特に着色料は危険性が高いものが多く、商品の見た目重視の為成犬用おやつには添加するメリットは殆どないので着色料不使用のおやつを選ぶことがポイントです。添加物については、おやつを選ぶときにしっかりとパッケージの内容量や成分を確認しましょう。

ヒューマングレードのおやつを選ぶ

安全性の高いおやつを前提として選ぶのであれば、やはりヒューマングレードのおやつを選ぶと安心です。最近ではヒューマングレードという言葉は誤解を招くことからあまり使われなくなり、海外では使用されていません。

日本のドッグフードについては「ヒューマングレード」と表記があっても、法的に基準が明確になっているわけではなくドッグフードメーカーが独自の判断で表記しています。

そのため本当の意味で人間が食べられるレベルの食材を利用しているかを確認するには、原材料を確認する必要がありますが、一方でヒューマングレードと表記があるものは大抵の場合は原材料を明確にしているので、そういった意味では安心して購入することができます。

ヒューマングレードと表記している場合、肉であればその動物が育った場所や使っている肉の部位、また「人間食用の肉を使用」など、そのおやつが何故「ヒューマングレード」であるかの理由が明記されていますので、パッケージを見てその理由を確認しておやつを選ぶと良いでしょう。

体に負担をかけないおやつの選び方

手作り

グレインフリーのおやつを選ぶ

グレインフリーのおやつとはトウモロコシや米類などの穀物を使っていないおやつで、犬の消化器官に負担をかけにくく、その他成犬の場合に注意したい肥満予防にも役立ちます。

グレインフリーのおやつに関しては実は賛否両論ありますが、犬の体は穀物を消化するために必要である「アミラーゼ」と呼ばれる酵素が人間より少ないと言われています。そのため、穀物をたくさん使用したグレインフリーでないおやつの継続利用や大量摂取は、胃や腸を中心とした消化器官に負担をかけやすいことは確かです。

犬は大昔であっても草食動物の体内にある穀物を中心とした肉以外の栄養素も吸収していたともいわれていますが、やはり肉との比率を考えるとそれは僅かな量です。また、犬の腸はとても短いため動物性タンパク質の消化吸収が得意であることから考えてもグレインフリーのおやつを選ぶことが体に負担をかけない大切な条件になります。

グレインフリーで動物性たんぱく質が主成分のおやつは腸トラブルを引き起こしにくいと言われていますが、腸は犬の最大の免疫器官とも呼ばれ全免疫細胞の約6割~7割程度が集中しています。そのため、成犬時の免疫力の向上について考えても胃腸に負担がかかりにくいグレインフリーのおやつを選んだ方が犬にとってのメリットが多いでしょう。

肥満になりにくいおやつを選ぶ

子犬期であればエネルギー量が豊富なおやつでも体が消費できましたが、維持期に入った成犬の場合はエネルギー量が多いおやつだとすぐに太ってしまうので注意が必要です。

飼い主が犬の肥満に気づいていない事が多いようですが、日本国内で獣医師が診た犬の中で肥満であると感じた犬の数は何と46.2%と半数近いという結果が出ているので、成犬におやつを与えるのであれば肥満になりにくいおやつ選びが基本です。

少し太っている程度であると飼い主はあまり肥満については重要視しない傾向にありますが、肥満は脚や股関節の病気、呼吸器系の病気や糖尿病、内臓疾患をはじめとし病気の予備軍であり病気にならずとも体に負担をかけやすいため注意が必要です。

成犬の場合は肥満を考慮して、出来るだけ炭水化物が使われていない糖質制限されたおやつを選ぶことが大切です。おやつによく含まれている炭水化物は、馬鈴薯澱粉、米類やトウモロコシですので、砂糖や塩不使用であることはもちろん、これらの炭水化物が主成分となっていないおやつを選ぶことをおすすめします。

まとめ

成犬のおやつの選び方について、安全性と体への負担を中心にご紹介させていただきましたが、成犬の場合一般的にはライフステージが子犬期や老犬期よりも長くなります。

そのため、1日に与えるおやつの量はほんの僅かであっても長期間おやつを与えることを考えると犬の体に負担をかけにくい安全なおやつを選ぶことは必須条件となります。

老犬期に入るとがんをはじめとし犬は様々な病気を発症しやすくなりますので、成犬の間に発がん物質が入ったおやつの継続的摂取や、肥満になりやすい炭水化物主原料のおやつなどには注意しなくてはいけません。

老犬期に比べて病気を発症しにくい成犬期ですが、その犬がシニアになった時の病気リスクを最小限にするためにしっかりと考えておやつを選んであげましょう。